appliqué(仏)
土台となる布の上に、別の布や皮などの小片を縫い留めたり、貼り付ける手芸を指します。
また、そのようにして作った作品や模様のことです。
<語源>
ラテン語の「貼る・付ける」という意味に由来します。
日本ではドイツ語由来のワッペン(独: Wappen)とも言います。
<歴史>
古代エジプトの頃から、衣服の補強のために用いられていた手芸とされます。
東ローマ帝国が栄える4世紀の頃になると、衣類や室内の装飾的意義を持って大いに応用され、
中世以降は高度な技法へと発展し、ヨーロッパへ普及していきました。
日本には20世紀初頭には伝来していましたが、それ以前から「切付け」「切嵌(きりばめ)」など同様の手法が存在し、和服への補強・装飾や布細工に施されていました。
また、アイヌの伝統衣装であるアットゥシでも、生地に別の布地を縫い付けることで独自の幾何学文様(アイヌ文様)を描く装飾技法が存在しました。
アップリケは特定の団体・組織の徽章として用いられることがあり、その形は特徴的なものにされている場合が多いです。
主なデザインとしては紋章型がメインで、紋章学に倣って盾形が選ばれやすいです。